鼻腔に隣接している副鼻腔が細菌感染などにより炎症を起こす疾患です。副鼻腔内に膿汁が貯留した状態が慢性化すると、俗に蓄膿症という言い方をします。大人に比べて乳幼児は、鼻腔と副鼻腔の通路が広く、また免疫力も発達していないため、風邪などの感染をきっかけに副鼻腔炎をよく起こします。風邪の後、膿性の鼻汁(いわゆる青っ洟)が長引くときは可能性が高いでしょう。
治療としては副鼻腔に貯留した膿汁を吸引して、ネブライザー(抗生剤などの入った吸入)を施行します。また症状に応じ抗生剤、粘液溶解剤、消炎剤などの投与を行います。
症状が慢性化しているときは、マクロライド療法といってマクロライド系抗生剤を通常の1/2~1/3の量にして1~3ヶ月投与する場合もあります。鼻茸を伴っている場合、難治性の場合は内視鏡手術を行う場合もあります。こどもの場合は副鼻腔がまだ発達途上にあるため、通常保存的治療を優先し手術を行うのは12歳以上となります。全身麻酔による手術などが必要な場合は適切な関連病院にご紹介します。